名香への扉

人と香料の出会いは古く紀元前5000年ごろのことといわれています。その後14世紀にエリザベス女王のために創られた、ハンガリーウォーターが香水のはじまり。16世紀頃からイタリアやフランスで香料産業が発展18世紀には“ケルンの水”とも呼ばれる柑橘系の香り「4711」がヨーロッパで爆発的な人気をよびました。19世紀には合成香料が発明され大量生産が可能になり、香水は一般の人々にも広がっていったのです。

それから数多くの香水が誕生しました。現在でも愛され続けている“名香”を、紹介致します。


HERMÈS エルメス(フランス) UN JARDINSUR LE NIL ナイルの庭

和みの香りを代表するエルメスの「ナイルの庭」は砂漠とは思えぬ程に生命力溢れるナイル川がイメージです。グリーンマンゴーの青い甘さとグレープフルーツのほろ苦さから睡蓮が香り立ち、枝葉を広げるシカモアの息吹も感じられます。「目を閉じれば、そこはオアシス」そんな表現がぴったりの香りです。調香師は思慮深く洞察力に富む哲学者のようなジャン=クロード・エレナです。

1837年、ティエリ・エルメスにより高級馬具店としてスタートしたブランドらしく常に「旅」に関わり、香水のテーマも現実の旅・心の旅・旅にまつわる素晴らしい記憶です。
香水の製造は1936年に始まり、1961年に発表された女性初のフレグランス「カレーシュ」(幌つき四輪馬車)はエルメスの商標である四輪馬車と従者のモチーフからネーミングされ、エルメスを象徴する重要な香水として現在でも位置づけられています。ソフトでデリケート、そしてかすかにシプレのアクセントをもつその香りは、話題だけに流されない上品さと心地よさを持ち、そこに常に歴史を見据えてきたエルメスの姿勢がうかがえます。

この姿勢は「地中海の庭」「ナイルの庭」へと続いています。エルメスはいつの時代も香りによって快適な旅支度を私たちに用意してくれるのです。

参考文献  2006香水図鑑 (株)学習研究社
香水ブランド物語 平田幸子 著 (株)学習研究社



SALVATORE FERRAGAMO サルヴァトーレ フェラガモ 
       INCANT インカント コレクション 2003年〜

香水の流行は時代とともに様変わりしていますが、この数年は「自分自身のためにまとう」奥行きのある香りの香水が主流となっています。その最たるものが、イタリアを代表するファッションブランド、サルヴァトーレ フェラガモの“インカントコレクション”です。

イタリア語で「魔法」を意味するこの香り。2003年にピュアでエネルギーに満ちた“インカント”が初登場し翌々年からは毎年1本ずつ新しい香りが仲間入りしています。


2003年 インカント 情熱的なフィレンツエのレッドリリーを中心に、ピーチやプラムのジューシイさをミックスしホライトムスクでアレンジ゙。女性の持つ本能を掻きたててくれる香り。
2005年 インカントドリーム(夢) パイナップルやマンゴーから弾けるジューシイな香りとエレガントトなフリージアをブレンド゙。ポジティブで明るい魅力をイメージした香り。
2006年 インカントチャーム(お守り) パッションフルーツの清々しさとジャスミンの花びらが奏でるフローラルフルーティベースはホワイトムスクがふんわり漂い幸福感に満ち溢れた香り。
2007年 インカントシャイン(輝き) きらめくようなフルーツカクテルに始まり優しいフリージア、そして芳醇なピーチへ。自由で遊び心に満ちたハーモニー。光と虹をイメージ゙。
2008年 インカントヘブン(天国) まるで楽園への招待状を受け取ったかのような気分になれる香り。酸味のある赤リンゴをブレンドしたグレープフルーツがジューシイ。上品なピオニーがエレガントさを際立て、パウダリーな一面も。
2009年 インカントブリス(至福) 気分はビーチのマーメイド゙。はじけるようなキンカンとアップルがジューシイでおいしそうな印象。

初めてインカントの香りにふれた時、“一度つけたら忘れられない香り”と紹介されていたことを思い出し、確かにそのとおりだと納得し、このような情熱的な香りの似合う女性になりたいと感じたことを今でもはっきり覚えています。
香りの計り知れない力は生き方さえも変えてしまうこともあります。
個々の秘めたパワーを引き上げ上昇気流に乗せ、身に付けた本人はもちろん周りの人までハッピーな気分にしてくれる“インカントコレクション”の魔法に身をゆだねてみてはいかがでしょうか。

参考文献  2004香水図鑑 (株)学習研究社
2008香水図鑑 (株)学習研究社
                         PARFUM NO149



LANCÔM TRÉSOR (ランコム トレゾア) “ 宝物 ” 1990年発売

 「ランコム」というブランド名を特徴づける言葉としてしばしばあげられる“官能”と“充足感”。これらの言葉を基にこの香りは生まれました。調香師は、ソフィア・グロスマン、ロシア人とアメリカ人のハーフの女性で、彼女はこの香りを「抱きしめてくれる香り」と呼び、共に仕事をしたエリザベスは「ハッピーエンディングの香り」と呼んだとのこと。
資料によると、この香りはグロスマンが自分自身のためにひそかに創っていた香水が原型になっているそうです。

 新鮮なライラックとミュゲ(スズラン)の香りがホワイトローズと絡み合うトップノートと、ヘリオトロープとイリスのよりパウダー調の強いミドルノートがハーモニーを奏でます。ピーチとアプリコットのフルーティーノートは、アンバー、白檀、ムスクといったベースノートと結びついて、ブーケに官能性と上品さを与えています。
 “宝物”という意味の幸運を約束するネーミング、この「トレゾア」の香りをイメージするミューズに起用されたイザベラ・ロッセリーニはイングリッド・バーグマンの愛娘でその高貴な美しさには定評があります。
 ボトルは「とりわけ幸せを感じるものでなければなりませんでした」と語るシャルル・プシケによるものです。香り、ネーミング、そしてボトルの完成度が極まってできあがった名香といえるでしょう。

参考文献  「香水ブランド物語」 平田幸子著 (株)学習研究社
パヒュームレジェント「世界名香物語」 マイケル・エドワーズ著
 中島基貴訳 フレグランスジャーナル社



JEAN PATOU JOY (ジャン・パトウ・ジョイ) “ 歓喜 喜び ” 1930年発売

 ジャン・パトウの「ジョイ」は、世界大恐慌後の1930年ジャン・パトウが打ち沈むアメリカの友人や顧客に贈り物として作った香水で、こんな逸話が伝えられています。スペイン人の調香師アンリ・アルメラスが何本かの試作品を提出したときジャン・パトウはどれも気に入らず「もっと甘い香りを!」と連発。「ドレスをいっそう目立たせたいとき、私は高価な素材や布を2倍使う。この香水も同じように濃度を2倍にしてみなさい」と彼の持論を言い放ったそうです。それに対し調香師が最高の香料を使用するため商業的には無理と伝えたところ、「価格は障害ではない。これを世界でもっと高価な香水として女性たちに捧げよう」と言い、「ジョイ」が誕生したのです。その高価な香料とはブルガリアンローズとグラース産のジャスミンです。そして甘さを上品にまとめるためにナルシス、官能的な印象を与えるためにイランイランを調合したのです。徹底的に天然香料にこだわり、現在までその贅沢な姿勢はかわることがありません。ちなみに1オンス(約30ml)の「ジョイ」を製造するのに、1万本以上のジャスミンと28ダースのバラを使うことを今も誇りにしているのです。確かに「ジョイ」を身にまとうと、非常に贅沢な気分になります。ローズは昔から女性ホルモンの分泌や血液循環に影響があると言われていますが、そういう意味でも「ジョイ」ほどローズやジャスミンの生命力が感じられる香りはなく不思議と元気が出てくる香りなのです。

参考文献  「香水の教科書2」
「香水ブランド物語」



GUERLAIN MITSOUKO (ゲラン ミツコ)1919年発売

 「ミツコ」はパリでベストセラーを博した小説「ラ・バタイユ」の魅力的なヒロイン、ミツコからその名をとったもので、香水界至高の名門ブランド“ゲラン”の三代目ジャック・ゲランが生んだ、格調高く落ち着いた香りの名香です。
「ミツコ」は前述の「マダム・バタフライ」のオペラ上演や、浮世絵人気など、当時のヨーロッパに起こったジャパネスク(=日本趣味)を反映して、思慮深く上品なイメージのヒロイン、ミツコ(=日本女性)への憧れをこめて作られました。異国の神秘的な雰囲気をテーマとし、オークモス、桃、ジャスミンとバラが力強さと繊細さを漂わせるシンプルな香りは、80年以上経った今でも世界中の女性に愛されています。

香水をつけた若い女性も素適ですが、香水を上手に着こなした大人の女性の魅力も格別ですね。ふとしたしぐさに漂う奥ゆかしい香りが、年齢を重ねた人だけが醸し出す気品を感じさせるからです。
その昔、年齢的にはまだ早すぎると見送っていた名香を、50代になって、今こそ余裕をもって着こなしてみるのもいいかもしれませんね。

参考文献  「香水の教科書2」
「香水ブランド物語」
「香水」



BURBERRY BRIT (バーバリー・ブリット) 2003年発売

 「イギリス人が生んだものは、民主主義とスコッチウイスキー、そしてバーバリーである」と言われるほど、イギリスの顔としての役割を果たすバーバリーは、1856年の創業です。1888年に、防水かつ通気性の高い木綿生地 ゛ギャバジン゛で特許をとり、それを生かした雨にも強いトレンチコートを誕生させたのが転機となりました。そのコートの裏地に使用した、赤・黒・ベージュ・白のタータンチェックはイギリスの伝統と気品にあふれ ゛バーバリーチェック¨の名前で世界中の人々に親しまれるようになったのです。

 バーバリーチェックは、バーバリーの香水のパッケージにも取り入れられています。
バーバリーの最初の香りは、創業から100年以上も経った1995年の「バーバリー・ロンドン」で、日本では「バーバリー・ライト」と名前を改めて発売され、愛らしい甘さと女性らしさを備えた香りでした。(現在は廃盤)
この香りを進化させたのが、「バーバリー・ロンドン」(2006年)で、朝イングリッシュガーデンの中をお散歩しているような上品な雰囲気を醸し出す甘さ控えめのフローラルです。

 そして「バーバリー・ブリット」は、イタリアンライム・アイシーペア・グリーンアーモンドのフレッシュサワーな躍動感に、シュガーアーモンドの甘い香ばしさが加わって、まろやかな仕上がりです。



ロクシタン L'OCCITANE 
      ローズオーデキャトルレーヌ(ローズオードトワレ)

 「ロクシタン ローズ オーデキャトルレーヌ」にまつわるエピソードをご紹介しましょう。フランス プロヴァンス フォルカルキエ村にある伯爵家の4人の娘たちはバラを愛し、それぞれにお気に入りのバラがありました。とても大切にバラを育て、それぞれ貴族とめぐり逢って王妃となり幸せな結婚をしました。ロクシタンのローズは4姉妹がそれぞれに愛した4種のバラ、グラースローズ、ブルガリアンローズ、モロッカンローズ、ターキッシュローズの香りが重なり合って生まれました。肌に乗せるとまるで自分自身から香っているかのように自然に女性らしさをかもしだしてくれます。みずみずしいエレガントな香りはどなたにも愛されるフレグランスです。

 1976年の創業以来、植物精油や植物抽出物をベースとし、鉱物原料を一切使用しないフレグランスを作り続けているロクシタンのローズの香りであなたも癒されてみませんか?




グレ カボティーヌ GRÊS CABOTINE “無邪気な妖精” 1990年発売

 「カボティーヌ」は、グリーンノートを代表する香水のひとつ。“無邪気な女性の花”といわれるジンジャーリリーの花の香りに清々しいグリーンが加わって、広大なお花畑にいるような錯覚に陥る香りです。

“ハネムーンのための香水”ともいわれ、デリケートで人の心を捉えて離さないジンジャーリリーをメインに、トップは爽やかでみずみずしく、ラストはセクシーな魅力を放ちます。この名香は花嫁が彼の心を永久に捉え続けるための魔法であるともいえるのです。

 南国の島で幸運のお守りのような存在としてレイに使用されているジンジャーリリーはこの香水のボトルのキャップのデザインにも取り入れられています。また、この香水の色がグリーンだったのも発売当時は新鮮で、それが香調に合っており、グレというブランドを知らなくても“グリーン色をした香水”として記憶に残りました。1960年代、シプレーノートの代表作ともいえる「カボシャール」“強情っぱり”で女性たちを虜にしてやまなかったデザイナーのグレが、彼女たちの娘世代のために作り出した香りは、素肌をあたたかく包み込み、どこか神秘的でもあり今も多くの女性に愛され続けています。

参考文献  「香水」発行者 田村正隆 ナツメ社
「香水ブランド物語」 著者 平田幸子 学習研究社



グッチ エンヴィ GUCCI ENVY (羨望) 1997年発売

 グッチ エンヴィを一言でいえば、「光とみずみずしさにあふれたクールビューティな香り」ということになるでしょうか。まぶしくきらめく新緑と水のせせらぎを思わせる香りは6月のたった1週間しか咲かないヴァインフラワー(ぶどうの花)の清楚な香りをイメージ。

ヒヤシンスとマグノリアがモダンに立ち上がりスズラン、ジャスミン、スミレが優しさを、アイリスとムスクが穏やかな余韻を残すグリーンフローラルノートの傑作です。

 グッチの歴史は創業者グッチオ・グッチが1921年にフィレンツェで高級皮製品の店をオープンしたときに始まります。1960年代に日本でもブレイクし、「グッチNO.1」(1974年)や「グッチNO.3」(1984年)が創られました。
 そして創業者亡き後、グッチ一族のお店はフィレンツェでそのまま続きますが一方、グッチブランドは別企業として生まれ変わります。アートディレクターにトム・フォードを迎え、彼がプロデュースに関わり始めた1994年ごろから、グッチのイメージは、洗練された都会的な雰囲気の中にキラリと光る官能を秘めた、クラシカルでモダンな表情を持つブランドへとなったのです。その代表的な香水が「グッチ エンヴィ」です。ミニマルな直方形の柱のようなボトルとグリーンノートを表す色使いは、まるでモダンアートを見るようです。



4711オーデコロン(フォーセブンイレブン)1792年

 「4711」、その名前の由来はナポレオンがドイツを占領した頃に遡ります。
そのとき新しい番地が家々の戸口に記され、ケルンのミューレンス家に与えられた番地が4711だったことから4711社が誕生したのです。

 ミューレンス家には1792年に、「4711」のベースとなる香りの処方が伝わっていました。それは、イタリア フィレンツェの名門メディチ家のカトリーナ・ディ・メディチがフランスの王妃として嫁ぐ際に、お抱えの薬局が彼女のために特別に調合したアックア・デッラ・レジーナ(王妃の水)と呼ばれる香りでした。
「驚異の水」「ケルンの水」「4711」など呼び方は違いますが、総称してそれらはオーデ・コロンと呼ばれます。オーデ・コロンとはアルコールに香料を溶かしたもので、当時はその香気成分を吸い込んで呼吸器官を楽にしたり気付け薬にしたりと、家庭の常備薬的な役割が大きかったようです。そしてカトリーナと共にフランスに渡った調香師によって、薬としてのオーデ・コロンや香りの調合技術などがフランスに定着し始めました。

 その後、アックア・デッラ・レジーナのレシピがケルンに渡り、「4711」となったのです。それはシトラスのベースにローズマリーやローズも調合されていて、心身ともに爽快感が欲しいときにぴったりの香りです。日本には戦前から入ってきており、噂では昭和天皇も愛用されていたとか・・・。いずれにしても戦前の高級官僚の間で流行し柑橘系コロンの草分け的な存在でした。目の覚めるような心地よい刺激を持つ清々しい香りは年齢や季節に関係なく愛用でき、最近では加齢臭をカバーする香りとしても注目を浴びています。

柑橘系の代表的な香り
4711オーデコロン(4711)
ローパーケンゾープールオム(ケンゾー)
シーケーワン(カルバンクライン)
クローム(アザロ)
オパフメオーテヴェール(ブルガリ)

参考文献 「香水ブランド物語」・「香水の教科書」




LANVIN(ランバン)
ALPEGE(アルページュ) “音階 調和” 1927年発売

 1889年、パリジェンヌ ジャンヌ・ランバンが23才でパリに帽子専門のメゾンを開いたのがランバンのはじまりです。その後洋服の仕立ても扱い、着る人をさらに美しく優雅に見せた彼女のモードはエレガンスの代名詞と言われるほど人気がありました。その一方でひとり娘マリーに愛情こめて仕立てた服が評判となり、子供服、さらには紳士服のメゾンを設立しました。ブランドの商標は母と娘が手を取り合っている姿で、女性が本来持っている無償の愛、親子の情愛をシンボルとしました。情愛、優しさ、幸せな時間、そこに真のエレガンスが宿っていることを私たちに教えてくれているようです。

 そんな彼女の香りへのこだわりは、モードと同様に香水にも最高級の原料のみで創られるべきであるというものでした。ゆえに、「アルページュ」の調香には、最高級のブルガリアンローズを使用し、ジャスミン、イランイラン、ベチバー、アンバー、バニラなどの香料と「シャネルNo.5」で開発された合成香料アルデヒドの華やかな雰囲気もつけ加えられました。「アルページュ」のネーミングの意味は、“音階 調和”で、その名のとおり香料ひとつひとつが同時ではなく、間をおきながら香り立ち、天然香料だからこそのエレガントな香りが印象的です。

 そして、新世紀になって名香の伝説にもうひとつ新たな表情を加えて発表されたのが「エクラドゥ アルページュ」“音楽が放つ輝き”です。グリーンライラックや藤が調香されたフレッシュモダンフローラルの香りでその名のとおり、透明感があって上品、育ちの良い女性像を感じさせる洗練された雰囲気と清々しさに満ちた香りです。

参考文献 「香水ブランド物語」・「香水の教科書」




NINA RICCI(ニナ リッチ)
L‘AIR DU TEMPS(レール デュタン) “時の流れ” 1948年発売

 マダム ニナ リッチと息子のロベール リッチにより1932年創業のブランドで、その衣装は優美さと女性らしさを強調する色と仕立てのラインに特徴があります。その姿勢は香水にも当てはまり、中でも最も親しまれているのが「レール デュタン」でしょう。

 全世界が戦後の暗い闇の中で、夢や希望が打ち砕かれていたとき、この香水は誕生しました。その名前は、“時の流れ”です。平和と幸福を求める全人類に対する慰めや希望に満ちた名前ですね。もちろんその名前と同様、香りもまた幸福感に満ち、野に咲く花のように自然な香調で、女性の変わることのない優しさと魅力を表しています。

ベルガモットとカーネーションをベースにガーデニア、ジャスミン、ローズがナチュラルなハーモニーを奏でます。特筆すべきは香水ボトルの美しさで、「レール デュタン」は、誰の目にもとまる2羽の鳩、流れるようなラインが美しいラリック瓶で、“時の流れ”を飾るのにふさわしいボトルでした。

 映画「羊たちの沈黙」の中で、囚人を演ずるアンソニー・ホプキンスが聡明なFBI捜査官を演ずるジョディ・フォスターのつけている香水を言い当てる場面があります。その香水こそが「レール デュタン」。そのセリフの効果で、スクリーンの中から甘く優雅な香りが漂ってくるような気がしませんか?

参考文献 「香水」  発行者 田村正隆 ナツメ社
「香水ブランド物語」 著者 平田幸子 学習研究社





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