香りと色とこころ


物を選ぶとき、私たちは形だけでなく色も、TPOに応じたものを選んでいます。
リクルートスーツやウェディングドレス、喪服を思い出してください。ルールがある社会の中で、それは必要な常識だからです。
ところが状況に応じた必要性ではなく、そのときの感情で色を選んだということがありませんか。色彩心理では、心がその色を欲しているためだと考えられています。このように、色は心理とは切っても切れない関係にあるのです。
同じように香りにもイメージとしての色があり、その時々の心理状態で選んでいることがあります。
無意識に選んだつもりの香りでも、心の動きを色濃く反映しているのです。
色と同じく、つけたくなった香りが、潜在的な自分の願望や必要性を表しているのです。

《香りの持つイメージカラー》
・ピンク系の香り ・パープル系の香り ・ブルー系の香り ・グリーン系の香り ・イエロー系の香り
・オレンジ系の香り ・レッド系の香り ・ブラウン系の香り ・ホワイト系の香り ・ブラック系の香り


ピンク系の香り - 若々しく優しい香り
ピンクは幸福のシンボル。若さ、気品、愛情を連想させる色です。
淡いピンクは柔和で上品、濃いピンクは豊かな情感を表しています。
この色が好きな人は、感受性が豊かで愛される人柄ですが、デリケートで傷つきやすい面も持っています。ピンクの色や香りが気になるときは、誰かを愛したい、あるいは、愛される幸福感にひたりたいと願っているときです。

代表的な香り
・ビューティフル/エスティーローダー 
・パリ/イヴ・サンローラン 
・ロマンス/ラルフローレン など。


パープル系の香り - 高貴だけれどセクシーな香り
紫色は古くから神聖な色とされてきました。高貴な階級を表す色です。
高貴な印象の反面、誘惑や官能を連想させる色ともいわれています。
逆にパープル系でも色の薄いライラックの色は上品でやさしい印象です。
パープルのイメージの香りには必ずといっていいくらい、ライラックやスミレ、アイリスやウィスタリア(藤の花)など紫系の花がブレンドされています。一見はかない印象ですが、次第にセクシーさを増すのが特徴です。

代表的な香り
・エクラ・ドゥ・アルページュ/ランバン 
・イリス/エルメス 
・アンソレンス/ゲラン など。


レッド系の香り - 華やかな存在感のある香り
社交的で積極的、精力旺盛な人や、またそうなりたいと願う人が、赤を着たり身に着けたりするといわれています。また思い切った決断を実行に移すときや、愛を告白したくなったときなど、人生の勝負時に背中を押してくれるのが赤なのです。
赤のイメージの香りは、バラやジャスミン、チュペローズなど深く鮮やかなフローラルにホットなスパイスをブレンドした香りです。

代表的な香り
・サムサラ/ゲラン 
・フラワー バイ ケンゾー 
・エスカーダ エス など。


ブラウン系の香り - 上質のゆとりを感じさせる香り
茶色は大地の色。樹木の幹の色。自然界にもっとも多く見られるこの色はなじみ深く安心感があります。気持ちを安定させて緊張を和らげる色なので、迷ったり決心がつかないときに身に着けるといいでしょう。
茶色が好きな人は、着実にキャリアを積んで徐々に目標に近づいていく努力家で、忍耐力もあり、文字通り「地に足のついた」堅実な性格です。
ブラウン系をイメージさせるのは、安らぎとぬくもりを持つ香りです。
シプレー系やオリエンタル系など、樹脂や苔の香りをブレンドした落ち着きのある香りです。

代表的な香り
・オピウム/イヴ・サンローラン 
・グッチオードパルファム 
・オムニア/ブルガリ  など。


イエロー系の香り - 健康的ではつらつとした香り
この色が好きな人は、ポジティブで明るく健康的なイメージなので、常にみんなの中心的な存在です。生活にいつも目新しさを求め、エネルギッシュに自己実現を目指す人が多いようです。また、精神が不安定になったときや、自信をなくしたときにこと色の服を着ると、気分をリセットできるともいわれています。
イエローのイメージを持つ香りは、シトラス系と華やかなジャスミンやイランイランなどを基調にした、スパイシーな甘さのフローラルの香りです。

代表的な香り
・レールデュタン/リナリッチ 
・クリニーク ハッピー など。


オレンジ系の香り - 明るくエネルギッシュな香り
オレンジ色を好む人は、社交的で注目されることが好きな「ネアカ」タイプです。
この色に惹かれるのは、元気いっぱいのときや、自分を強く印象づけたいときです。
逆に、落ち込んだときや気力が衰えたときにも有効です。太陽のような明るいオレンジ系のイメージの香りは、シトラスや活気あふれる花々をメインにした、弾むような甘さときらめくような存在感ある香りです。華やかに場を盛り上げる効果もあるのでパーティーなどのシーンにもぴったりです。

代表的な香り
・トレゾァ/ランコム 
・ジャドール/ディオール  など。


ブルー系の香り - 知性を感じさせるクールな香り
ブルーは空の色、水の色。この色に惹かれているときは、感情を外に向けて発散するより、冷静に自分自身を見つめていたい気分のときです。落ち着きをなくしたり、自分を見失ったときにも有効です。また、知性や理性を表す色でもあります。さわやかで、知的なイメージを持つ香りだけに大切なプレゼンテーションや面接などは、この色の服や香りが活躍します。

代表的な香り
・ライトブルー/ドルチェ&ガッバーナ 
・クールウォーター/ダビドフ 
・ローパケンゾー など。


グリーン系の香り - 安らぎを与えてくれる香り
グリーンの色は自然、安らぎ、落ち着き、健康、平和などのイメージです。
ブルーと似ていますが、安らぎ感がより強いのは、この色が木の葉や草の色など、もっと身近な自然の色だからでしょう。
フレッシュで落ち着きのある香り立ちから、自立した女性の印象ですが、実は相手に対しても“平和”なイメージを与えています。したがって、トラブルがあったときや、言いにくいことを相手に伝えたいときなどにも適しています。

代表的な香り
・シャネルN゜19 
・カボティーヌ/グレ 
・タンドゥルプワゾン/ディオール など。


ホワイト系の香り - ピュアで清楚な印象の香り
白には、純粋、無垢、素直、清潔、透明などのイメージがあります。
色彩心理学者によれば、白い部屋に暮らす女性は美人になるとか。
それは白が自分の顔色や姿を引き立て、内分泌を促すからだそうです。
白をイメージとする香りは、白い清楚な花々のすっきりとした甘さの香りや水や大気を思わせるピュアで透明感あふれる香りです。シンプルで、やわらかく、ナチュラルな気持ちにさせてくれる香りです。

代表的な香り
・クリスタル/シャネル 
・ジル・サンダーピュア 
・シアヴェール/ヴェラウォン など


ブラック系の香り - 格調高いミステリアスな香り
すべての光と色を吸収する黒色は、内に秘めた神秘的な雰囲気を持っています、この重量感や高級感のある黒を身につけるのは、特別な存在に見せたいからだといわれています。
黒い服は、80年代以降ファッションの中心的存在となっていますが、実は、1920年代に、ココ・シャネルが発表したシンプルな「リトル・ブラック・ドレス」が最初です。
モードの革新者は「黒い服は喪服」というそれまでの常識を打ち破り、ケの服を、まったく逆のハレの服、パーティーの花形ファッションに仕立て上げたのです。
白と黒の「シャネルN゜5」は、そんな彼女の感性を見事に表現しています。

代表的な香り
・シャネルN゜5 
・シャリマー/ゲラン 
・ブラックコード/アルマーニ など。

参考文献「香水の教科書2」
                      榎本 雄作 編著




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