香り 豆事典


〜 香りで記憶がよみがえる 〜 プルースト効果
フランスの作家、マルカル・プルースト(1871〜1922年)の小説『 失われた時を求めて 』のなかに、浸していたマドレーヌのかけらがまじった紅茶を口にした瞬間に、なつかしいにおいによって昔の記憶がありありと思い出されるという有名な一節があります。このことから、香りによって記憶がよみがえることをプルースト効果とよんでいます。

久し振りに会った学生時代のお友達、当時お気に入りだったフレーバーティーを注文して運ばれてきたとき、その香りを嗅いだとたん、その頃の甘酸っぱい思い出が、あざやかによみがえってくる。

そんな経験ありませんか? 実は香りによるプルースト効果だったんですね。
参考文献「香りのふしぎ百科@」
                      青森大学 栗原堅三 編著


〜 「かおる」のニュアンス 〜
「かおる」という言葉をあてる漢字が、ほかにもあることを知っていますか。
「 薫 」・「 馨 」・「 芳 」・「 馥 」・「 芬 」などがそれです。
どれもいいにおいを意味しますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

薫 → 香草のにおいがもやもやとたちこめること。

馨 → すみきった音 + 香 = すんだかおり。

芳 → 植物のかおりが四方にひろがること。

馥 → 香 + ふくれたおなか = ふくよかなかおり。

芬 → 草の芽や花がひらいて、よいかおりをただよわすさま。

漢字文化の豊かな感性がうかがわれますね。
参考文献「香りのふしぎ百科@」
                 青森大学 栗原堅三 編著


〜 「源氏香」と「源氏物語」 〜
「源氏香」とは、香道の完成後に考え出された香の遊びの一種です。
5種類の香木を5包づつ用意して、全部で25包のなかから5包をとり順不同にたいて、香席に回します。

香席の客は香を聞いたら、紙の上に右から順にたて線を引き、同じ香りと思うものは、たて線の上の部分を横線でつなぎます。
たて線と横線の組み合わせは、全部で52種類あり、それぞれに『源氏物語』の巻(全部で54巻)の名前がつけられて「源氏香之図」にまとめられています。

客は「源氏香之図」に照らし合わせて、「空蝉」、「夕顔」などの巻名で答えます。
「源氏香之図」の模様は、デザインとして着物の柄などにも取り入れられています。

画像:深草焼袖香炉
   香文化資料室 松栄堂 松寿文庫蔵
参考文献「香りのふしぎ百科A」 
青森大学 栗原堅三 編著 





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